9月4日の最高裁判決が注目です

こんにちは、弁護士政岡です。

 

相続については多くの方がトラブルに巻き込まれ、

また、税金の事も含め関心をお持ちのことかと思います。

その相続に関する問題で、新聞などに既に取り上げられていますが、

9月4日に最高裁で重要な判決が下されるようです。

今回の裁判では「婚姻関係に無い男女間に生まれた子供の法定相続分は2分の1」

と定めた民法の規定が憲法に違反しないかが争われているようです。

過去の判例を変更する際に開かれる大法廷での判決が予定されているということなので、

今までの判断が覆るのではないかと、とても注目されています。

 

民法では、「婚姻外の出生」という社会的身分に着目して、

相続分を婚姻内の子供の半分に減らしていますが、

その規定が「法の下の平等」を定めた憲法14条に反する、

不合理な差別なのではないかということが問題になっています。

憲法は、合理的な区別は許していますが、不合理な差別は許していません。

過去の最高裁は、きちんと入籍する「法律婚」を尊重するためという目的のため、

婚姻外の子供の相続分を減らす事で事実婚を抑制することが出来るので、

それが目的達成の手段として著しく不合理というわけではないという論理で、

合理的な区別と判断してきました。

 

しかし、事実婚をするカップル(婚姻しないで男女関係にいたるカップル)が、

相続の時の子供の不利益を考えて入籍するとは思えませんし、

そもそも、何も悪くない「生まれてきた子供」ですので、

不利益を押し付けるのもどうかと思います。

この規定が作られたのは遥か昔で、当時の社会的な状況が反映されていたのでしょうが、

憲法14条が禁止している「社会的身分による不平等」で、

不合理な差別にあたるのではないかという意見もあったところです。

この問題に関する前回の最高裁判決では、裁判官の意見も分かれるほどで、

これまで合憲とされていましたが、

今回の判決がどのような判断を下すのか、目がはなせません。